半年間、定期的にお邪魔している放課後等デイサービスがあります。そこには、心にあるたくさんの気持ちを伝える手段(会話する力など)を十分に得られずに困っている子と、もっとストレートに素直な気持ちを受け取りたいと願っている保護者と施設スタッフがいます。
昨日はクチトレーニング開始から6ヶ月目のレッスン日でした。
対象は高校生です。(これまでに言葉・会話・自分の気持ちをきちんと伝えること等は、確実に成長をしてきていることを、保護者・施設と一緒に確認してきています。)
さて、保護者の心配事の一つに「食事中の口を開けながらのくちゃくちゃ食べ」がありました。私はこれについては、口の条件が揃ってくると自然に食べることができるようになりますよ。とこれまでの経験からお話ししていました。
そういうことから、これまでのレッスンで????咀嚼の方法等????について、特に触れることも特別な方法も使ったことはありませんでしたが、
(もしかして・・・そろそろ良いんじゃないかなぁ)と子どもたちの口の力(クチリョク)がアップしてきたことから、硬めのガム(歯科用)を噛んで咀嚼のようすをみんなで確認してみたいと思いました。
「今日は、ガムを噛んでみましょうか。噛んでいるところを見せてくださいね。」と声をかけると、お母さま方から「生まれてからこれまでガムを噛んだことが1回もないです。飲み込まないで食べられるでしょうか。」と心配の声も上がりましたが、チャレンジしてみることになりました。
初体験です。
ゆっくり口に入れて、最初は動かさないでようすをみていましたが、だんだん噛み始めました。ゆっくりゆっくり・・・次第にリズミカルに。。。「あっ!噛めてる!」お母さまから声が上がります。子ども達も嬉しそう。
アレッ?
「うちの子、口を閉じてしっかり噛んでます!」お母さまが気づきます。
「今、どっちで噛んでるの?」と尋ねると、みんな一緒に
「こっち」と頬を指さします。
「じゃぁ、反対側で噛んでみて。」
目がちょっと上を向いて一瞬考えているようでしたが、スススッと口の中を移動させて反対側で噛んでます。
「できるじゃん、すごい!」お母さま達、嬉しそう。
「口の周りが唾で濡れることなく、上手に奥歯で噛んで、左右に動かしながら噛んでますね。」と子ども達のことを実況中継すると、お母さまたち、大きく頷きながら笑顔です。
家族や仲間との食事の時間は、誰にとっても「美味しい」「楽しい」を感じることができる最高のコミュニケーションの場ですよね。
口の力をつけることは、シンプルに食事の喜びにつながります。
これからも新しいチャレンジをしながら、できることがどんどん増えていくことを確認しながら、みなさまと一緒に子ども達の成長をサポートしていきたいと思っています。
高校生は、学校が忙しく疲れて帰ってくるそうで、1回3分、1日3回が精一杯。
と、いうことで基本のクチトレーニングに負荷を加えたちょっとレベルを上げたトレーニングを行なっているのですが、それが効果を上げているようです。
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